泣きたい日に観たい映画5選|今日は何に心を動かされたい?
泣ける映画を探しても決めきれないのは、何に泣きたいかが決まっていないからかもしれません。家族、恋愛、戻れない時間、生と死。動く感情の種類が違う5本を紹介します。
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最近、感情らしい感情が動いていない。仕事は回っているし、困っていることもない。ただ、面白いとも悲しいとも思わないまま一週間が終わっていく。
そういうときに「泣ける映画」で検索すると、ランキングがいくつも出てきます。それでも決められないのは、たぶん何に泣きたいのかが自分でも決まっていないからです。
家族のことで泣きたいのか、恋愛で泣きたいのか、それとも過ぎてしまった時間のことで泣きたいのか。同じ涙でも、動く場所がまるで違います。
この記事では、動く感情の種類が異なる5本を選びました。作品の泣ける度合いを比べるのではなく、今日どこを動かしたいかから選んでみてください。
作品選びでは、Filmarksや映画.comなどに投稿されたユーザーレビューの傾向も参考にしています。
家族について考えているうちに、涙が出てくる|そして父になる
2013年公開の日本映画。上映時間は約120分です。
この作品を「泣ける感動作」として紹介するのは、少し違う気がしています。涙を誘う場面が用意されているというより、家族について考えさせられているうちに、気づけば感情が動いているタイプだからです。
エリート会社員の家庭に、育ててきた息子との関係を根底から揺さぶる知らせが届く。そこから二つの家庭が向き合うことになります。
感想を読んでいて印象的なのは、作品の評価を書く前に、自分の親や自分の子どものことを書き始めている人が多いことです。父親になるとはどういうことか、親と子それぞれの立場、二つの家庭に流れる時間の違い。作品の外側にある自分の記憶まで引っ張り出されている反応が並びます。
そのぶん、淡々としている、起伏が少ない、テーマが重い、という声もあります。物語に大きな盛り上がりを期待すると、静かすぎると感じるかもしれません。
当サイトでは、この1本を**「泣いてスッキリする」ためではなく、「家族について考える時間を持つ」ため**の作品と位置づけました。今日はとにかく思い切り泣きたい、という日なら、この記事の別の作品のほうが選びやすくなります。
ベタでもいい、恋愛にどっぷり浸かりたい|きみに読む物語
2004年公開のアメリカ映画。上映時間は約123分。日本公開は2005年です。ニコラス・スパークスの小説が原作になっています。
療養施設で、ひとりの男性が女性にノートを読み聞かせている。語られるのは、1940年代のひと夏に出会った若い二人の話です。
この作品の感想には、はっきりした特徴があります。「王道」「ベタ」「展開が読める」と書いたうえで、そのすぐあとに「それでも泣いた」と続くものが多いのです。ひとりを長く想い続けること、年を重ねても消えない気持ち。そこに真正面から感情を預けた、という反応が並びます。観たあとに、目の前の人を大切にしようと思った、という書き方をしている人もいます。
もちろん、恋愛観が合わないと入り込めない、という感想もあります。ひねりの効いた恋愛映画を探している日には、物足りなく感じる可能性があります。
裏を返せば、ベタであることが分かったうえで浸かりに行く日には、これ以上ないほど機能します。5本のなかで、考える涙ではなく、感情を預ける涙にいちばん近い1本です。
戻れない時間のほうに、胸が締めつけられる|スタンド・バイ・ミー
1986年公開のアメリカ映画。5本のなかでは短めの作品で、日本公開は1987年です。スティーヴン・キングの小説が原作になっています。
少年4人が、ある噂を確かめるために線路沿いを歩いていく。話の骨格はそれだけです。
この作品で目立つのは、子どもの頃に観た人が、大人になって観直したときの落差について書いている感想です。かつては冒険の映画として観ていたものが、いつのまにか過ぎてしまった時間の映画に見えている。昔の友達を思い出した、あの頃の関係はもう戻らないと感じた、という反応が続きます。
泣かせるための演出は、5本のなかで最も前面に出ていません。音楽で盛り上げることも、別れを長く見せることもしない。それでも、観たあとに静かに効いてくる。そういう作りです。
したがって、今日は分かりやすく号泣したい、という状態なら少し物足りないはずです。自分の過去のほうを思い出したい日に選んでください。5本のなかでは短めなので、重い気分にならずに取りかかれます。
人を送るという仕事から、生きている時間を見る|おくりびと
2008年公開の日本映画。上映時間は約130分。5本で最も長い作品です。
楽団が解散し、故郷に戻った男性が、成り行きで納棺の仕事に就くところから始まります。
題材だけを見ると、最初から最後まで重い映画に思えるかもしれません。ところが感想には、意外に多く「前半で笑った」という反応が混ざっています。仕事に慣れていない主人公の戸惑いや、周囲とのやり取りに可笑しみがあり、そこから徐々に生と死のほうへ移っていく作りになっています。
納棺という仕事を初めて知った、日本の所作や文化が印象に残った、という感想も並びます。そして多くの人が、作品を観ながら自分の家族との別れを重ねています。声を上げて泣くというより、静かに感情が残るタイプの涙です。
ひとつだけ、選ぶタイミングには触れておきます。死や葬儀を扱う作品なので、そのテーマに向き合える日に取っておく、という選び方もあります。
泣いたあと、温かい気持ちで終わりたい|リメンバー・ミー
2017年公開のアメリカ映画。上映時間は約105分。日本公開は2018年です。原題は『Coco』です。
音楽を禁じられた家に育った少年が、死者の国に迷い込む。そこで家族の歴史に触れていく物語です。
この作品の感想には、面白い並び方があります。「展開はある程度読めた」と書いた人が、そのすぐあとに「それでも泣いた」と続けているのです。驚きによって泣かせる作品ではなく、分かっていても感情が動くタイプだということが、感想の形からも見えてきます。
誰かを覚えているとはどういうことか。受け継がれるものは何か。そうしたテーマが、色彩豊かな死者の国の映像と音楽にのせて進みます。映像美と音楽に触れた反応が多いのも、この作品らしいところです。
そして、5本のなかで泣いたあとに重さを残しにくいのがこの1本です。しっかり泣きたい、けれど観終わったあとは温かい気持ちで眠りたい。そういう日のために選びました。
今日は、何に泣きたい?
| 今の気分 | 選ぶなら |
|---|---|
| 親子・家族について考えたい | そして父になる |
| 恋愛にどっぷり浸かりたい | きみに読む物語 |
| 昔の友達や戻れない時間を思い出したい | スタンド・バイ・ミー |
| 生と死について静かに考えたい | おくりびと |
| 泣いたあと温かく終わりたい | リメンバー・ミー |
泣けなかった日のこと
泣くつもりで再生しても、思ったほど感情が動かない日もあります。だからといって、作品選びに失敗したと決める必要はありません。
今日は違ったと思ったら、そのまま止めても構いません。映画まで「予定どおり泣くためのもの」にしないくらいが、ちょうどいいのではないかと考えています。
感情を動かすより先に休みたい夜なら仕事で疲れた夜に観たい映画5選、泣くより笑って切り替えたい日は笑いたい日に観たい映画5選をどうぞ。休日の昼にまとまった時間が取れるなら2時間で楽しめる映画10選も選択肢になります。