前向きになりたい日に観たい映画5選|今の自分にほしい一歩から選ぶ
元気が出る映画を探しても刺さらないのは、ほしい一歩の種類が違うからかもしれません。やり切る、道を開く、踏み出す、熱くなる、静かに戻る。5通りの前向きさを紹介します。
この記事は約5分で読めます。
うまくいかないことが続いた週の終わりに「元気が出る映画」を検索する。出てきた作品を再生してみたものの、なぜか気持ちが乗らない。そんな経験はないでしょうか。
一つの理由は、そのとき自分がほしかった一歩と、作品が差し出してくる一歩がずれていたことかもしれません。
がむしゃらに走りたい日もあれば、理不尽な状況をどうにかしたい日もある。ただ明日また普通に働けるようになりたいだけの日もあります。同じ「前向き」でも、必要なものは違います。
この記事では、前向きになる理由がそれぞれ違う5本を選びました。作品選びでは、Filmarksや映画.comなどに投稿されたユーザーレビューの傾向も参考にしています。
結果はどうあれ、一度やり切ってみたい(ロッキー)
1976年公開のアメリカ映画。上映時間は約120分。日本公開は1977年です。
無名のボクサーに、突然大きな試合の話が舞い込む。話の骨格はそれだけです。
この作品を「努力して勝つスポーツ映画」として紹介すると、たぶん誤解されます。実際、感想には「前半は思ったよりゆっくり」「ボクシング映画だと思っていたら人間ドラマだった」という趣旨のものが少なくありません。上映時間の多くは、ロッキーの冴えない日常と、周囲の人たちとのやり取りに使われています。
そのうえで、トレーニングの場面と音楽で一気に気持ちを持っていかれた、応援したくなった、という反応が並びます。無名の男が大きな舞台に立つまでを追いかけているうちに、いつのまにか自分ごとになっている。そういう作りです。
当サイトがこの1本を最初に置いたのは、**「絶対に成功したい日」ではなく「結果は分からなくても、一度くらい自分でやり切ってみたい日」**に効くと考えたからです。勝敗そのものより、そこへ向かう時間のほうが長く描かれています。
理不尽でも、自分の力で道を開きたい(ドリーム)
2016年公開のアメリカ映画。上映時間は約127分。日本公開は2017年で、原題は『Hidden Figures』です。
1960年代のNASAで働く女性たちを描いた作品です。
この作品の感想で目を引くのは、差別を扱っているのに主人公たちが前向きだという書かれ方の多さです。理不尽な扱いに対して、悲壮な決意で立ち向かうのではなく、計算能力や仕事の速さで結果を出していく。その「頭の良さが気持ちいい」という趣旨の反応が繰り返し出てきます。テンポと音楽も含めて爽快だった、という声も目立ちます。
精神論ではなく、能力と準備と行動で自分の居場所を作っていく。ここが、この記事にこの作品を入れた理由です。何かを我慢して乗り越えるのではなく、具体的に動いて状況を変える話を観たい日に選んでください。
ただし、人種差別や性差別の描写は正面から描かれます。今日はそういう場面を見る余力がない、という状態なら、この記事の別の作品のほうが落ち着いて観られます。
説明できなくても、好きなことへ進んでみたい(リトル・ダンサー)
2000年公開のイギリス映画。上映時間は約111分。日本公開は2001年です。
炭鉱町に育った少年が、ボクシング教室の隣で行われていたバレエに引き寄せられていきます。
感想には、少年が踊る場面そのものへの言及が多く集まります。うまいから感動するというより、踊っている時間が楽しそうだから見入ってしまう。そういう受け取られ方をしています。父親との関係の変化に触れた反応も多く見られます。
当サイトがこの作品に見ているのは、**「なぜ好きなのか説明できなくても、やりたいからやる」**という部分です。やりたいことはあるのに、周りに理由を説明できなくて動けない。そういう日に、この作品は妙に効きます。
一方で、明るいだけの夢追い映画ではありません。家族との対立、炭鉱町の厳しい状況、当時のジェンダー観といったものが背景に置かれています。そこも含めて観るほうが、最後の場面の意味が変わってきます。
頭より先に、心拍数を上げたい(THE FIRST SLAM DUNK)
2022年公開の日本のアニメーション映画。上映時間は約124分。原作者の井上雄彦が監督と脚本を務めています。
高校バスケットボールの試合を軸に、選手たちの背景が挟み込まれていく構成です。
この作品の感想は、試合の描写に集中しています。躍動感、スピード感、音の使い方、そして没入感。試合が始まってから終わるまで画面から目が離せなかった、という趣旨の反応が並びます。原作を読んでいない人や、バスケットボールのルールに詳しくない人でも試合そのものを楽しめた、という声も確認できます。
この記事で、この1本だけは役割が違います。教訓や人生訓から前向きさを受け取るのではなく、競技を観ているうちに勝手に気持ちが上がってくるタイプだからです。考える前に体が反応する、という順番です。
原作を知っている人のほうが人物への理解は深くなります。また、以前のアニメ版に親しんだ人からは、声や表現の違いに戸惑ったという反応もありました。前提知識がなくても楽しめますが、そういう受け取られ方があることは知っておいてよいと思います。
明日もふつうに働いてみようと思いたい(マイ・インターン)
2015年公開のアメリカ映画。上映時間は約121分。日本公開は2015年です。
70歳のベンが、若い経営者の会社にシニアインターンとして入っていく物語です。
この記事の最後にこの作品を置いたのは、前向きさが必ずしも「猛烈に頑張ること」ではないからです。ここまでの4本は、走る、道を開く、踏み出す、熱くなる、と外向きの力を扱ってきました。この1本だけは方向が逆で、静かに元の場所へ戻っていくための作品です。
感想でよく挙がるのは、ベンの落ち着きと、周囲を支える姿勢です。こんな人と働きたい、という反応が多く、そこから「もう少し仕事を頑張ってみようと思った」という方向へ続いていきます。
ちなみに現在の目で観ると、仕事と家庭の描き方や、女性経営者の描かれ方に時代を感じたという感想もあります。作られた年を踏まえて観ると、また違う見え方をするかもしれません。
日曜の夜、明日からまた一週間が始まるという時間に、静かに観るのが合っている1本です。
今ほしいのは、どんな一歩?
| 今の気持ち | 選ぶなら |
|---|---|
| 結果はどうあれ、一度やり切ってみたい | ロッキー |
| 理不尽でも、実力で道を開きたい | ドリーム |
| 好きなことへ一歩踏み出したい | リトル・ダンサー |
| とにかく熱くなりたい | THE FIRST SLAM DUNK |
| 明日もふつうに働いてみようと思いたい | マイ・インターン |
観たあとに、何も変わらなくても
映画を1本観たくらいで状況が変わることは、そう多くありません。翌朝には同じ問題が同じ場所に残っています。
それでも、2時間のあいだ他人の挑戦を眺めていると、自分の問題の大きさが少しだけ変わって見えることがあります。当サイトが「前向きになる映画」に期待しているのは、その程度のことです。
大きな変化を期待せず、その日の自分に合う一本を選ぶくらいでいいのではないかと考えています。
前向きになる前に、まず休みたい夜なら仕事で疲れた夜に観たい映画5選。笑って切り替えたい日は笑いたい日に観たい映画5選、感情を動かしたい日は泣きたい日に観たい映画5選をどうぞ。